大正3年に竣工した二代目京都駅。初代京都駅のあった場所から約140m南側に建設されました。
当時の駅前広場は大変広大で、南北128m、東西522mにも及んだと言われています。
二代目京都駅庭園
手前が大正5年に完成した庭園 (提供:森安正氏)

しかしこの広大な駅前広場の東側は風が強く吹けば砂塵が舞い、雨の日には池が出来てしまう有り様であったそうで、対策として庭園を設置するよう当時の西部鉄道管理局長・長谷川謹介が提案したそうです。
完成は御大典後の大正5年3月31日、「辰山園」と名付けられたこの庭園には噴水まで設置されました。
庭園と噴水
向かって左側が庭園内に設置された噴水

上の絵葉書を見てみると噴水は池の中に設置されていたようで、細い水柱が噴き上がっています。
現代の我々が想像するようなものよりもずっとシンプルなものですが、絵葉書にもなるくらいなのでちょっとした駅前名物だったのでしょう。

さて、現在の京都駅は四代目に当たりますが、こちらも噴水が駅前に設置されています。
四代目京都駅 噴水2
四代目京都駅の噴水
四代目京都駅 噴水3
こちらの噴水は平成22年8月11日に設置された音楽噴水『AQUA FANTASY』と言い、音楽に合わせて光を帯びた水が飛び交うものです。
株式会社デンケンが自社創業40周年を記念し京都市へ寄付を申し出たそうで、京都ステーションセンター株式会社が一部負担し約2億円かけて設置しました。
夕刻より1時間毎に約15分~20分間、4回のスケジュールとなっています。

【参考文献】
「京都駅物語 駅と鉄道130年のあゆみ」荒川清彦 淡交社